■北欧・ロシア・エストニアの旅日記■
2002年8月02〜03日 デンマーク編U


 8月02日(水) 〜コペンハーゲン

 船、列車と2晩連続の夜行移動を経て、
 デンマークはコペンハーゲンに戻ってきた。
 先月は空港で時間を過ごしていただけなので、
 初めてやってきたコペンハーゲン中央駅。
 今日はレイルパスが使えるので、オーデンセの
 郊外にあるイーエスコウ城を訪問する予定です。
 まず、荷物をコインロッカーに預け、
 電話でYHの予約して、宿の確保をしてから、
 西へ向かう電車に乗って、いざ出発!!

 夜行移動の疲れで、車内ではほとんど睡眠。
 コペンハーゲンのあるシェラン島とオーデンセのあるフュン島を結ぶ橋、
 そう先月、上空から見た橋を渡る時だけは、何とか目を覚ましていました。
 約1時間30分でオーデンセに到着。ここからローカル線に乗り換えて約40分。
 お城の最寄りであるKvaerndrup(グヴェンドロップ)駅にたどり着きましたが・・・
 ここはなんと無人駅。駅の周りには民家しかなく、さてどうしたらいいのやら。

 それなりに交通量がある道路に向かって歩いていると、沿道のお家の庭に出ていた女性が、
 「イーエスコウ城に行くんでしょ!? 右に向かって歩いて30分くらいよ」と教えてくれました。
 教えられた通りに歩道もない道をひたすら歩いていると、お城らしき敷地が見えてきて、
 30分はかかることなく到着。地図もなく不安だったけど、駅からはほぼ一本道を真っ直ぐでした。

 オスロで親しくなったデンマーク人のCharlotteが「おすすめよ〜」と言っていただけあって、
 ルネッサンス様式のイーエスコウ城は本当にキレイなお城。現在でも貴族が住んでいるらしい。
 こんな素敵なところで生活できるなんて・・・うらやましい限り。
 お城はもちろんだけど、ここは庭園の美しさでも有名らしい。
 早速、ご自慢の庭園を散策していたら雨が降り出して、次第には雷まで鳴りだしてしまいました。
 ちょうど林の中を歩いていた時だったので、落雷に遭わないよう走って逃亡。

 少し雨が上がるのを待ってから、庭園とクラシックカー博物館を見学。
 帰り際にお城にある売店に行き、ここの名物である「バラゼリー」を購入しようと思ったら、
 今年は作れなかった・・・とのこと。楽しみにしていただけけに、がっかり。
 ガイドブックによるとバスもあるらしいけど、停留所を探すのが面倒なので帰りも駅まで歩き、
 ローカル線と幹線を乗り継いでコペンハーゲンまで戻りました。もちろん車内では熟睡。

 中央駅の前にある観光案内所で地図を教えて貰い、スーパーで買い物をしてから、
 市内電車のS-togとバスを乗り継いで宿泊先のYHへ。
 けっこう混んでいてチェックインに時間がかかった上、今日の宿泊しか受け付けてくれなかった。
 部屋でしばらくぼーっとしているとアジア系の女性が2人やって来て、香港出身だと言う。
 最近、韓国人パッカーは増えているけど、香港のヒトに会うのは初めてかも。

 いったん自炊のためキッチンへ行き、夜ご飯を食べてから部屋に戻ると・・・今度は日本人の親子が。
 母親がとても感じのイイ人で色々と話していたら、以前、茨城県に住んでいたという。
 しかも・・・けっこうご近所さんということですっかり盛りあがってしまいました。
 最初のうち娘さんのCちゃん(小学校2年生)は、ちょっと人見知りをしている感じだったけど、
 日本語に飢えていたみたいで、母親と仲良くしている私を見て、すぐになついてくれてました。
 ご主人の学会ついでに家族3人で、ヨーロッパを「貧乏けちけち旅行中」(byCちゃん)なのだと。
 子供のうちから海外旅行なんて、私からすればうらやましい話だけど、
 当の本人には退屈らしく、パリでディズニーランドに行くのだけが楽しみみたい。
 あ、デンマークではチボリ公園がお気に入りのようで、「お姉さんも行ってみてね」と。
 この親子との出逢いで、楽しい夜を過ごすことができました。

                                              (写真:イーエスコウ城)




 8月03日(木) コペンハーゲン

 今日はコペンハーゲンの観光に行こうかな・・・と思ったら、
 なんと宿泊していたYHで延泊が出来ないと言う。
 「どうして居なくなっちゃうの!?」とCちゃんに半泣きされてしまい、
 ちょっと心苦しさを残しながら出発。
 市内へ向かうバスを待つ間、アメリカ人の家族に話しかけられ、
 「英語上手だねえ」と褒められた。素直に嬉しかった。

 コペンハーゲン中央駅に程近い観光案内所へ行くと、
 まだ午前10時前なのに、宿泊手配のカウンターは大混雑。
 番号札をとって待っていると、YHで同室だった香港2人組が。
 やっぱり延泊をできなかったそうだ。
 8月のデンマーク、観光客が溢れかえっているのね。
 駅から徒歩10分程のホステルを紹介され、荷物を持って歩く。
 ん・・・ちょっといかがわしい雰囲気の店がある地域に
 そのホステルはあった。かなりボロい。
 とりあえず1泊分のお金を払い、
 いったん荷物を預けてまた駅の方に戻りました。

 観光施設と交通機関がセットになったCopenhagen Cardが欲しかったので、
 また混雑している観光案内所へ。これまた自分の順番を待っていると・・・
 日本人の男性に「すいません、そのガイドブック見せて貰えますか!?」と声をかけられた。
 デンマーク語を学ぶために留学中で、日本大使館の場所が知りたいとのこと。
 普通の学生風だったので、お安いご用と見せてあげると、何か凄く感謝されてしまい、
 大使館行くついでに、私を歩行者天国のストロイエまでガイドしてくれたのでした。

 沿道のお店を覗いたりしながら過ごした後、歩いてクリスチャンボー城へ。
 現在は国会議事堂として使われていて、内部見学のツアーもあるのだけど、
 ちょうど時間が合わなくて、1時間30分近く待たなければならなそうなので諦めることに。
 いったん中央駅に戻り、S-togに乗って今度はローゼンボー宮殿へ。
 ここの宝物展示室には、数々の王冠や装飾品などが並べられていて、もう溜息もの。
 デンマークという国に大して、あまり華やかな印象がなかっただけに少し驚いたけど、
 今思えば、女王陛下がいらっしゃる立派な王国なのでした。

 きらびやかな宝石が頭から離れないまま、近くにある国立美術館へ。
 デンマークはあまり有名な画家はいないけど、隣国オランダの絵画が充実していたかも。
 ん、これらはデンマーク王室が収集したコレクションらしい。
 一般公開するために美術館を建てたなんて、国民に開かれた王室みたいです。

 ここコペンハーゲンは、世界3大がっかり観光地と言われている「人魚の像」が有名。
 2年前くらいに頭部が切断されたことが、けっこう大きなニュースになったばかり。
 さて、百聞は一見に如かず、どれだけがっかりするかを体験しに行きましょう。
 美術館からは歩いて20分程かかり、そろそろ疲れたかな・・・と思った頃に海が見えてきて、
 やっと海岸沿いにある岩に乗った人魚の像にたどり着きました。
 想像以上に小さかったけど、別にがっかりはしなかった。
 むしろ、人魚の像を見るために自力で歩いてきた過程があったからか、妙な達成感すらあった。
 ツアーはラクだけど、その過程を楽しみたくて私は個人旅行をやめられない。

 帰りは路線バスに乗って市内のバスターミナルのような所まで戻り、徒歩でホステルへ。
 チェックインを済ませて部屋へ行くと大部屋に20台くらいの二段ベットが。
 これで1泊120DKKはかなり高いような気もするけど、他に宿がないのだから仕方ないか。
 あまり部屋にいたい気分ではなかったので、荷物を置いてからすぐにチボリ公園へ。
 う〜ん、夏季限定遊園地って感じだろうか!? 私にはいまいちその魅力がわからなかった。
 入場はCopenhagen CardでOKだったけど、それぞれのアトラクションは有料だったから、
 敢えてお金払ってまで遊ぼうとは思わなかったのが原因か。

 ホステルに戻って、夜ご飯を作っていたら日本人の2人組に声をかけられました。
 大阪の美大生でワークショップに来たついでに、ヨーロッパ旅行中だと言う。
 「このホステルは居心地悪いから、明日にはどこかに移動してしまいたい・・・」
 実際、2人組は翌朝スウェーデンに旅立っていったのですが、その気持ちよ〜くわかる。

                                                (写真:人魚の像)


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