■北欧・ロシア・エストニアの旅日記■
2002年7月26〜27日 ロシア編T


 7月26日(水) 〜サンクトペテルブルグ

 いったいどれくらい寝たのだろう。
 寝台の入口が叩かれ、エストニアの出国審査。
 すぐに審査官がやってきて終わったけど、
 結局、30分近く停車していたのかな・・・。
 列車が動き出してしばらくして、また停車。
 今度はロシアの入国審査。

 私は特に厳しくチェックされることもなかったし、
 パスポート、外貨申請書にすぐハンコがもらえ、
 ほっと一息と思っていたら・・・
 同室だったスイス人男性は荷物を見られていた。
 確かにスキンヘッドで一見すると怖そうだったからなあ・・・本当は親切な人だったんだけど。
 エストニアの審査も時間がかかったけど、ロシアの審査はその比じゃない。
 私なんか自分の用件が終わったら、列車が停車中にもかかわらず眠り始めていたかも。
 審査が終わって時計を見ると明け方の4:00くらい、まだまだ眠れると思ったら、
 エストニアとロシアには2時間の時差があったんだった。
 ロシア時間ではもう朝6:00。到着まであと3〜4時間しかありません。

 というわけで大して眠れるわけもなく、サンクトペテルブルグのワルシャワ駅に到着。
 ちょっと危険な香りのする国、ロシアに足を踏み入れてしまいました。ロシア語全然わからない。
 しかも怪しい白タクの運転手が次々と寄ってくる。
 とりあえずロシアの通貨、ルーブルを全く持っていないので銀行や両替を探してみたものの、
 ワルシャワ駅には見つからず。運良く近くにいた親子の子供(高校生くらい!?)が英語を話せて、
 ここから歩いて5分程度のバルチスキー駅に両替所があるらしい。
 早速、歩いて駅へ行って両替所を探してみるも、ロシア語ダメな私に見つかるわけない。

 こうなったら道行く人に手当たり次第声をかけて、英語ができるヒトを探すしかないけど、
 ここはロシア。英語の普及率はこの上なく低い。1人目ダメ、2人目ダメ・・・と続けて7〜8人玉砕。
 ああ、少しくらいロシア語勉強してくるんだったと後悔しながら歩いていると、
 背広姿の男性にぶつかってしまった。つい英語で「I'm sorry」と謝ると同時に、
 思い切って「両替所がどこにあるかわかりませんか!?」と聞いてみると、
 「ロシアのお金持ってないの!? いくら必要なの!?」と即座に英語で答えてくれました。
 私が「とりあえず地下鉄に乗りたいんですけど・・・」と言うと、「付いていらっしゃい」と。
 彼は地下鉄の改札に向かい、自分が通った後、私にトークン(2ルーブル)をくれたのです!!
 Mr.ビーン役のヒトにちょっと似ていたおじさまに案内され、無事に地下鉄に乗り込み、
 彼は私より先に降りてしまったのですが、その時も「次の駅だよ」と教えてくれました。
 別れ際、私に思いつく限りのお礼の言葉を英語とロシア語で伝えました。
 ビーン似のおじさま、本当にありがとう!!

 親切なおじさまと出逢えたことで、無事にYH最寄りのフィンランド駅に到着。
 駅の程近くには大繁盛している両替所が・・・。
 とりあえず地図を便りにYHに向かい、チェックインの手続きをしていると、
 アジア系の男性が2人やってきて「日本人ですか〜!?」と。
 ああ、とりあえずロシアを個人旅行している日本人が他にもいてちょっと安心。

 YHでちょっとゆっくりした後、外国人登録をするために教えられたオフィスへ。
 交通機関なんて何を使ったら良いかわからないから、もう歩いていくしかないって感じ。
 途中、ネヴァ川にかかるリチェイヌイ橋から見た景色はもうサンクトペテルブルグを象徴していて、
 川沿いに綺麗な色の建築が並んでいて、私はもう感慨に耽ってしまったのでした。
 エストニアでもらった地図とガイドブックと道路の名前を頼りに歩くこと約15分。
 ちゃんと目的の事務所にたどり着くことができました。
 係りのヒトは流暢な英語を話したので、あっという間に手続きも終わりました。

 このままYHに戻るのは勿体ないので、近くにあった夏の庭園・宮殿へ。
 宮殿といっても大きなお家くらいな規模。でも内部はやっぱり豪華。
 そのまま運河沿いを歩いていると、スパース・ナ・クラヴィー聖堂が見えてきました。
 タマネギ頭とその色合いは衝撃的だったけど、その美しさに目を奪われます。
 人の往来が激しい道路が見えたので、歩いて行くと目抜き通りのネフスキー大通りに到着。
 地図を頼りに西へ向かうと、凱旋アーチをくぐって、憧れだったエルミタージュ美術館前へ。
 私は今、ロシアの地に立っている。夢じゃないんだよ〜!!!

 もう夕方なので、中に入りたい気持ちをぐっと抑えて今日はもうYHに戻ることに。
 一番近い地下鉄駅まで歩いていき、まずは無事に地下鉄1号線に乗車。
 1駅で降り、今度は3号線に乗り換えるんだけど、ロシア語の駅名表示が読めるわけもなく、
 反対方向行きに乗ってしまったのでした。
 以後、自分が降りる予定の駅名くらいはロシア語のスペルを覚えましたよ〜。

 フィンランド駅に着いて、売店で今日の夜ご飯を調達。
 ソーセージとたっぷり野菜のピタサンドのようなもので、中東に近いロシアの食べ物らしい。
 これ、すごく美味しくてロシア滞在中、何度も食べたのでした♪
 YHではアメリカ人とイギリス人の学生さんと一緒だった。こういう組み合わせって初めてかも。

                                                (写真:夏の宮殿)




 7月27日(木) サンクトペテルブルグ

 目覚めてまず気づいたのは、身体のあちこちが痒い。
 そういえば夜中、蚊が飛んでいる音が何度か聞こえた。
 数えてみたら、一晩で10カ所程度刺されてしまった。
 でも、私より若いイギリス人、20カ所くらい刺されたらしい。

 宿泊料金に朝食が含まれていたので、地下のカフェへ。
 良くわからないまま頼んだら、パンケーキみたいなのが出てきた。
 食べていると、上の方から韓国語が響き渡ってくる。
 どうやら韓国人の団体ツアーが入ったらしい。
 食後、廊下を歩いていると、昨日チェックインの時にあった
 男性とすれ違う。とりあえず挨拶して、立ち話。
 部屋に戻るとアジア系の女性が新しくやって来た。
 韓国人団体の1人かと思って英語で挨拶したら、日本人だった。
 アメリカ在住のY子さん、年は30代半ばといったところだろうか。
 豪快だけど、さっぱりとした性格でとても話しやすい。

 今日はエルミタージュ美術館へ行くつもりで、YHを出発。
 が、美術館に行く前に何となくトラムに乗ってみたくなり・・・
 ガイドブックを頼りに観光ポイントを巡ることができるというNo.54のトラムに乗車。
 ニコライ聖堂の近くで下車し、聖堂見物に。私の大好きな水色の建築だ〜
 トラムに乗って移動しても良かったのだけど、何となく町歩きがしたくなり、
 とりあえずバルチスキー駅を目指して歩き始めました。
 そこから地下鉄に乗って、エルミタージュ美術館へ行けばいいかな・・・なんて。

 ところが駅に到着した途端、ペトロヴァレツ行きの2階建てバスを発見。
 さっき話したY子さんが「滞在中にぜひ、行ってみたい」と言っていた場所。
 噴水がいっぱいある宮殿に私も興味を覚えていたんだった。目の前にバスもいるし・・・。
 エルミタージュには明日行ってもいいし・・・と気づいたら私は車上のヒトでした。
 バスの乗客はほとんどがロシア人の家族連れ。
 どこで降りたらいいかわからなかったけど、ヒトがいっぱい動いたところで確認したら、
 やっぱりここがペトロヴァレツとのこと。人波について行くと、黄色い宮殿が見えてきました。

 ここは「夏の宮殿」と呼ばれていて、ピョートル大帝が建てたらしい。
 夏の間の離宮として使用していたみたいだけど、大宮殿はやっぱり豪華絢爛。
 ロマノフ王朝の力を見せつけられた感じです。こんな北の地でよく・・・栄えたものね。
 入場料がけっこう高くて大宮殿が115ルーブル、庭園が60ルーブル(共に外国人料金)
 庭園のあちらこちらに工夫をこらした噴水があって、それを見て回るのが楽しかった。
 フィンランド湾に面した地形なので、サンクトペテルブルグから船でも来られるらしい。
 まあ、私はお金が勿体ないから帰りもバスで帰りました。

 サンクトペテルブルグに戻ってからはネフスキー通りへ行き、沿道のお店をふらふら。
 冬のモスクワからのTV中継の時に人々が被っている、毛の帽子が欲しかったのだけど、
 まだ夏なので高級デパートにしか売っていない。
 しかも、かなりイイお値段で日本円にすると1万円程度なので、簡単には手が出ない。
 後で聞いた話によると、真冬のロシアに来れば露店でUS$15程度で手にはいるらしい。
 でも、極寒のロシアへ行くことを考えただけで震えがとまらない。}

 今日もフィンランド駅のお店で夜ご飯と飲むヨーグルトを買ってみた。
 安くて美味しくてロシアの食べ物は最高!!
 たっぷり歩いて疲れたし、同室の人たちも睡眠モードなので寝ようかなと思ったら、
 今朝、立ち話をした男性JOさんが・・・そういえば「地球の歩き方」を見せる約束してたんだった。
 しばらく、キッチン兼食事スペースのところで話をしていたのだけど、
 ちょうどJOさんの部屋には誰もいないということで、お邪魔することに。
 結局、明け方くらいまで旅やら身の上話などで盛りあがってしまったのでした。

                                          (写真:ペトロヴァレツの寺院)


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